鍼と灸の効果

鍼治療とは、全身に点在するツボ(経穴)を鍼で刺激して身体の不調を改善する、東洋医学のひとつです。鍼の刺激によって筋肉をほぐしたり、血行や代謝を促したりすることで、痛みやつらい症状を改善していきます。さらに近年、アメリカの医学研究機関や世界保健機構(WHO)から、さまざまな病気への治療や美容面での効果も期待できると発表されたことなどから注目を集めています。

鍼の刺激によって、痛みを抑える作用のあるホルモンが脳内に分泌されます。また、脳に痛みを伝える神経の働きをブロックするため、痛みが伝わりにくくなります。この2つの作用により痛みが緩和されると考えられています。

その他、血液やリンパの流れを改善し、たまっていた老廃物を排出したり、筋肉の緊張をほぐしたりすることで、首・肩のこりや、こりが原因で起こる頭痛などを和らげる効果が期待できます。また、同じく鍼の刺激により、リラックス効果のあるセロトニンなどのホルモン分泌を促進、ストレスや緊張を和らげるツボや、心を安定させる作用のあるツボを刺激することで、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。その結果、身体を活動させるために働く交感神経よりも身体を休ませるために働く副交感神経が優位になり、リラックスした状態になります。.

灸とは、艾(もぐさ)を用いて経穴に熱刺激を加える方法で、「やいと」と呼ばれることもあります。温めるイメージの強いお灸ですが、「温める」だけではない、さまざまな作用があります。皮膚への熱刺激が皮下の筋肉や血管、リンパに影響を与えます。 温熱刺激により、副腎皮質ホルモンが分泌され、白血球が活性化されるほか、炎症や痛みを抑制する効果があります。また、ダメージを受けた細胞を修復するタンパクが分泌され、免疫細胞の働きを強化します。免疫力を正確に測る方法は確立されていませんが、白血球や免疫を獲得する際に働く細胞の活性化、加えて血液循環の改善作用により、免疫力が強化されるといえます。また、リラックスすることにより、副交感神経が優位になり免疫力が強化されます。

また、ツボ(経穴)を刺激することでツボに備わったの作用も期待できるため、肩こり・腰痛をはじめ、月経不順などの不定愁訴にも働きかけます。自律神経調整のための経絡治療の際も、大きな効果を発揮します。灸の原料となるは艾は、よもぎの葉の裏にある白い線毛を精製したものです。艾に含まれる芳香成分にはリラックス効果のほかに、炎症や痛みを和らげる効果もあります。

当院では、これら鍼や灸の特性を生かした施術も行っております。

 

 

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